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    メトロポリタン美術館

2011年4月12日〜28日

ーNYと、私の妄想ー

　７年ぶりに、４月に２週間NYに行ってきた。いつもNYに滞在するときは、１ケ月過ごすので、今回は短い滞在だった。この時間をとることが一つの目的としてあり、独立してたま屋をつくり仕事をするようになった。

　その発想のもとは、１７年ほどまえに半年滞在したときに通った語学学校からだ。クラスにいる社会人のヨーロッパの人たちは、３～４週間ほどの休みを利用して語学学校に滞在しながら観光していた。

　その短期留学のときに、この美術館にとりつかれたのだが、半年間に定期的に通っても、まったく消化ができなかった。なんとか消化する方法はないかと、戻ってから考え続けた。そして、数年後に仕事を独立した。

　だから、ここの美術館への想いは、半端ではない。

　メトロポリタン美術館にくると、いつも会いたい絵がたくさんある。この美術館で知った作品やアーティストも数多い。この美術館で多くの作品に出合い、私は大きな影響をうけている。

　西洋美術史を学術的に勉強して、学芸員の資格をとりたいと考えたのも、ここの美術館の作品を見ながらだった。当時は妄想に過ぎなかったが、それは今は現実となった。西洋美術史だけではなく、文化人類学にも強く魅かれ考古学の単位も取得した。

そして今は、NYを仕事とクロスさせることと、自分と似た人物を探し出すことが、新しい妄想だ。

私と似た境遇で、長年ここの美術館を愛している人に出会い、そして友となる。ようやく出会った私たちは、一緒に何日もかけてここの美術館と作品について語り合う。

そのような友人が、いつか現れるのだと、私は信じている。

いつから、そんな妄想をするようになったのかはわからないが、かなり昔からだと思う。妄想はいつか現実になる。

　

 

　

 
 

 

　オルセー美術館にも、同作のシリーズがある。

　小学生の頃に、とても好きだった絵で、ルノワールの印象として記憶に残っている。金髪と茶髪の美しい白人の二人の少女は、子供の頃に、この絵から得た外国人の印象ともなった。

　１８９２年ごろ制作された、116×90ｃｍのサイズでそれほど大きくない絵だ。この絵の前の椅子に座り、３０分以上眺めていた。本当に、なんて贅沢な時間なんだろう。

 

 

 

１７世紀のアーティスト、ラ・トゥールを知ったのは、この｢懺悔するマグダラのマリア｣の絵だ。

　初めてこの作品を見たとき、光と影を美しく表現した作品に、長い時間みとれていた。４年前に、偶然図書館にて、ラ・トゥールの画集をみつけたときは、思わず｢おお｣と叫んでしまった。彼のことを、忘れかけていたところに現われた。とても感動して、重かったけれど画集を借りた。

　同じく、ラ・トゥールの｢女占い師｣。周りの女性が、男の持ち物を盗もうとしている。同じ作品を、カラバッチョが制作している。

　この大作に長年強くひかれていた。いつ訪問しても展示されているが、タイトルも読まずに、全体の仕上がりと絵の細部に強く魅かれていた。

　１９世紀のフランスのアーティストであるこことは記憶していた。作者は、J・バスティアン・ルパージュであり、この作品のタイトルは｢ジャンヌ・ダルク｣だった。

　後ろにいる気高そうな人物は、神を表現していたのか？これから戦いに関わる女性には全く見えなかった。フランスの片田舎に住む、教養のある淑女を表現したものだと思っていた。

 
 

ルドンとその周辺　2011.10.6〜10  浜松市美術館

 

　 　


ルドンのエッチングや木炭・墨による絵は、重くはなく、むしろ滑稽である。 思わず、苦笑いしてしまう。
　　


画家生活の後半はパステル調の明るい色で描かれているが、目を閉じた女性像（巫女）が多く、否定されているような印象を持つ。 19世紀に制作活動を行なったルドンのその背景にあるものを見ることができた。
人類学 神秘主義 ボードレール、エドガー・ポーの存在
彼は、とても素直で生真面目な人物だったのだろう、ということが伝わってきた。

 

 
 
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