遠藤美香展 浜松市美術館 2022.4/22~6/19

 
『水槽』2016
 
浜松市美術館にて、1階では遠藤美香展、2階では浜松市出身の有名版画家(柳澤紀子他)の作品が展示されていました。
 
 
遠藤美香展、個人的に好きな作品を撮影させてもらいました。私が一番魅かれたのは「水槽」。金魚の動きがしなやかで、室内の様子も水面を通して表現されて素晴らしいです。
幅が5mの大作「みちびかれて」は迫力がありました。これだけの大作となると、版画で表現しているエネルギーが見ている人に届きます。人物が入った作品は、ほとんどが人物に緊張感が強く感じるのはなぜでしょう。
体に力が入らないはずの横たわっている作品も、リラックスしていない肉体。
『格子』は好きな構図、やはり人が表現されているのに人ではないよう。
人のココロが横たわっているのかもしれません。
 
『江戸間』2012
 
『みちびかれて』2021
 
『格子』2012
 
『布団』2014
 
人が本当に体中の力を抜いている時は、ないのかもしれない、と作品を見て「肉体」について考えさせられる機会となりました。私も人物を制作している時期がありましたので、遠い昔の制作時間を想い出しました。
人物はあらゆる表現の中で一番難しい、と制作者からよく聞きます。その意味が昔より理解ができていることに気がつきました。
繰り返し作品を見て、感動し、考えて、そして何かを作成して。その繰り返しの中で見えてくるものがあります。それは遊びや気まぐれではなく、長年アートに振り回されて奮闘する人生を送り、制作を続けてきた人しか知らないことかもしれません。